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不整脈の診断・治療

不整脈とは、心拍数や心臓の鼓動のリズムが正常ではない状態を指します。健康な成人の安静時における心拍数は1分間に60〜100回程度とされていますが、この数値から大きく外れたり、リズムが不規則になったりするのが不整脈の特徴です。

不整脈の主な原因と背景となる疾患

不整脈は、心臓そのものの疾患や生活習慣など、さまざまな要因によって引き起こされます。背景には虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)のほか、心筋症、弁膜症、心不全などの重大な病気が隠れていることも少なくありません。

また、心臓以外の疾患や嗜好品、精神的ストレスが誘因となる場合もあります。主な原因については以下の通りです。

全身性疾患 甲状腺疾患、電解質異常(低カリウム血症など)、睡眠時無呼吸症候群など。
生活習慣・環境 過度の飲酒、カフェインの過剰摂取、喫煙、過労、精神的ストレスなど。

自覚症状と発見のきっかけ

不整脈の症状は多岐にわたりますが、自覚症状がないことも非常に多いのが特徴です。そのため、健康診断の心電図検査などで初めて指摘されるケースも目立ちます。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

主な自覚症状 動悸、めまい、ふらつき、失神(意識消失)、胸部の違和感、息切れ、胸痛。

主な不整脈の種類と最新の疾患概念

不整脈は、その性質や発生部位によっていくつかの種類に分類されます。2025年時点における主要な疾患概念は以下の通りです。

心房細動(AF) もっとも頻度の高い持続性の不整脈です。加齢とともに増え、心原性脳塞栓症の主要な原因となります。
心室細動・心室頻拍 心臓が痙攣したような状態になり、血液を送り出せなくなる緊急性の高い不整脈で、突然死の直接原因となります。
ブルガダ症候群 心臓の構造に異常がなくても、心電図に特徴的な変化が見られ、突然死のリスクを伴う疾患です。
QT延長症候群 心筋の電気的な回復が遅れる状態で、特定の薬剤が原因で後天的に発症することもあります。
心房粗動・上室性頻拍 突然始まり突然止まる激しい鼓動が特徴です。カテーテルアブレーションでの根治が期待できます。
徐脈性不整脈 脈が遅くなるタイプで、洞不全症候群や房室ブロックが含まれます。倦怠感や失神を招くことがあります。

不整脈を診断するための精密検査

診断を確定させ、適切な治療方針を決定するために、問診や身体診察とあわせて以下の検査を組み合わせて実施します。

12誘導心電図 もっとも基本的な検査です。発作時の記録ができれば、非常に高い診断価値があります。
ホルター心電図 24時間の心電図を記録し、日常生活の中での不整脈の出現状況を確認します。
長時間心電図モニター 数週間から数ヶ月の記録が可能です。近年では皮下植込み型ループレコーダー(ILR)も用いられます。
心臓超音波検査 心エコーを用いて、心臓の動きや弁の状態、背景にある心疾患の有無を詳しく評価します。
その他の検査 血液検査(甲状腺機能や電解質の確認)、運動負荷心電図などが行われます。

不整脈の主な治療方法

治療の目的は、症状の改善、心機能の維持、そして脳梗塞や突然死の予防にあります。病状に応じて、薬物療法から高度な手術治療まで選択されます。

薬物療法 抗不整脈薬による管理や、脳梗塞を予防するための抗凝固療法(DOAC)が標準的です。
カテーテルアブレーション 心筋の異常部位を焼灼・隔離する治療です。心房細動などの不整脈において根治を目指せる治療法です。
ペースメーカー植え込み 脈が遅くなる徐脈性不整脈に対して行われます。最近ではリードレスペースメーカーも普及しています。
植え込み型除細動器(ICD) 命に関わる危険な頻脈を検知し、電気ショックで停止させることで突然死を防ぐための機器です。
心臓再同期療法(CRT) 重症心不全に伴う伝導障害に対し、左右の心室を同期させてペーシングする治療法です。

日常生活での注意点と予防

不整脈の再発を予防し、健やかな生活を送るためには日常の管理が欠かせません。アルコールや喫煙、カフェインの制限に加え、十分な睡眠とストレス管理を心がけましょう。

また、スマートウォッチなどのウェアラブル機器を用いた日常的なモニタリングも、異常の早期発見に非常に有効です。少しでも違和感を覚えたら、放置せずに専門医へ相談してください。

※本ページの内容は2025年時点の医学的知見に基づいています。

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