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めまいの治療

めまいの基礎知識と主な原因・治療法について

めまいは医学的に、視覚・平衡感覚・固有感覚(体の位置や動きを知覚する感覚)の情報の統合が脳でうまく行われないときに生じる症状です。

症状の現れ方は人によって大きく異なります。目の前がぐるぐる回る「回転性めまい」、ふわふわ・ゆらゆらする「浮動性めまい」、立ちくらみのように目の前が暗くなる「失神前状態」など、同じ「めまい」という言葉でも指す現象はさまざまです。このような症状の多様性がめまい診療の特徴の一つです。

主なめまいの原因疾患

めまいにはさまざまな原因があります。代表的な疾患を以下の表にまとめました。

良性発作性頭位めまい症(BPPV) めまいの原因として最も頻度が高い疾患です。内耳にある耳石(炭酸カルシウムの結晶)が三半規管に迷い込むことで、頭を動かしたときに短時間の強い回転性めまいが起こります。中高年の女性に多くみられます。
メニエール病 内耳に内リンパ水腫が惹起されることで、反復する回転性めまい・難聴・耳鳴り・耳閉感を引き起こす疾患です。2025年に最新の診療ガイドラインが発刊され、診断基準も更新されています。 
前庭神経炎 ウイルス感染などが原因で平衡感覚を脳に伝える前庭神経に炎症が起き、激しい回転性めまいが数日間続く疾患です。難聴は伴いません。
前庭性片頭痛 繰り返すめまい発作に頭痛を伴うことが多く、片頭痛の治療に準じた薬物療法が有効です。これまで原因不明とされてきたケースのなかに、この病名が当てはまることが分かってきました。 
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD) 3か月以上にわたり、ほぼ毎日続くめまいやふらつきが特徴の機能性疾患です。直立姿勢や動きのある視覚刺激(混雑した場所や映像など)によって悪化します。 参考:新潟市医師会 
その他 脳梗塞・小脳出血などの中枢(脳)由来のめまい、外リンパ瘻、聴神経腫瘍、起立性低血圧など、原因は多岐にわたります。

めまいの種類に応じた治療法

めまいはその原因疾患によって治療法が大きく異なります。適切な診断に基づいた治療を行うことが重要です。

薬物療法

抗めまい薬・抗ヒスタミン薬・制吐薬などが急性期の症状緩和に用いられます。メニエール病には利尿薬や内リンパ水腫を改善する薬が、前庭性片頭痛には片頭痛予防薬が使われます。PPPDに対してはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いた薬物療法が有効とされています。

理学療法(耳石置換法)

BPPVの主な治療は浮遊耳石置換法で、薬物療法や手術が必要になることはほとんどありません。三半規管のどの部位が原因かを確認し、耳石を元の位置に戻すことで症状を改善させます。代表的な手技としてエプリー法などがあり、専門の耳鼻咽喉科へご紹介致します。 

前庭リハビリテーション(平衡訓練)

一側の前庭機能が障害されためまい・平衡障害に対し、日常生活動作の改善や転倒リスクの軽減を目的に行われる運動療法です。慢性化しためまいやPPPDに対して特に有効で、認知行動療法(CBT)と組み合わせることも推奨されています。2024年には日本めまい平衡医学会よりエビデンスに基づくガイドラインも発刊されています。

手術療法

薬物療法や理学療法で改善しない場合、または頻繁なめまい発作が日常生活に著しい支障をきたす場合に検討されます。対象はメニエール病、外リンパ瘻、聴神経腫瘍などですが、手術の適応となるケースは限られています。

早急な受診が必要な目安

めまいの多くは耳由来ですが、中には脳梗塞や小脳出血など緊急性の高い疾患が隠れていることがあります。以下の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 激しい頭痛を伴う場合
  • ろれつが回らない(言語障害)
  • 手足のしびれや麻痺がある
  • 物が二重に見える(複視)
  • 意識が遠のく感覚がある
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