しびれの治療
しびれの症状とメカニズム
しびれは、正座をした後の一時的な感覚から、重篤な脳疾患、脊椎疾患、糖尿病の合併症まで、非常に幅広い原因によって起こる症状です。
医学的には、何らかの理由で神経そのもの、あるいは神経への血流が障害されることで発生します。電気が走るようなピリピリ感や、感覚が鈍くなる、力が入らないなど、その表れ方は原因や障害部位によって多岐にわたります。
しびれを引き起こす主な原因疾患
しびれの原因は、脳や脊髄の中枢神経、末梢神経、血管、代謝疾患など多岐にわたるため、正確な診断が適切な治療への第一歩となります。
脳・中枢神経由来のしびれ
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などが原因となる場合があります。突然発症する片側の手足のしびれ、顔の違和感、言葉のもつれ、激しい頭痛を伴う場合は、速やかに救急受診が必要です。多発性硬化症などの免疫疾患が関与することもあります。
脊椎・末梢神経の圧迫による疾患
加齢や姿勢の問題から生じる脊椎疾患は、しびれの非常に多い原因です。首から手にかけては頚椎、腰から下肢にかけては腰椎の疾患が疑われます。また、手首の神経が圧迫される手根管症候群は、パソコン作業や女性ホルモンの影響なども要因となります。
糖尿病性神経障害
糖尿病の三大合併症の一つです。両足先から始まるじんじんとしたしびれや感覚低下が典型的な症状です。早期に血糖コントロールを開始すれば改善が期待できますが、進行すると壊疽につながる恐れがあるため、早期発見が重要です。
神経障害性疼痛と三叉神経痛
神経そのもののダメージにより、ピリピリとした痛みが続く状態を神経障害性疼痛と呼びます。また、顔面に激痛やしびれが走る三叉神経痛は、血管が神経を圧迫することで起こり、中高年の女性に多く見られるのが特徴です。
その他の原因疾患
| ビタミンB12欠乏症 | 菜食主義や胃切除後の方に多く、末梢神経に影響を及ぼします。 |
|---|---|
| 甲状腺機能低下症 | ホルモンの不足により、手足のしびれが生じることがあります。 |
| レイノー病 | 寒冷刺激などで手指の血流が障害され、しびれや変色を伴います。 |
| CIDP | 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーという、免疫が関わる神経疾患です。 |
しびれを改善するための治療法
しびれの治療は、その原因となっている根本的な病気によってアプローチが大きく異なります。
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原因疾患の治療と生活改善
根本原因の解決が最も重要です。糖尿病なら血糖管理、脊椎疾患なら姿勢の矯正や体重管理を行い、神経への負担を軽減させます。 -
薬物療法
神経障害性疼痛にはタリージェ(ミロガバリン)などの専用薬が用いられます。三叉神経痛には抗てんかん薬、末梢神経の修復にはメコバラミンなどのビタミン剤が有効です。 -
理学療法・リハビリ
頚椎や腰椎由来のしびれには、牽引、温熱療法、運動療法が実施されます。リハビリテーションの継続は症状緩和に非常に有効です。 -
神経ブロック・特殊治療
薬物療法で改善が乏しい場合、神経ブロック注射を検討します。三叉神経痛には、放射線を照射するガンマナイフという選択肢もあります。 -
手術療法
保存療法で効果がない場合や神経圧迫が強い際に行われます。微小血管減圧術などは、多くの患者さんで症状消失が期待できる根治的な手法です。
緊急を要する危険なしびれのサイン
以下のような症状が突然現れた場合は、脳卒中などの緊急疾患の可能性があります。直ちに医療機関を受診してください。
- 片側の手足や顔が突然しびれる
- ろれつが回らない、言葉がうまく出ない
- 経験したことのないような激しい頭痛を伴う
- 歩行困難やふらつきが急に起きた
- しびれとともに手足に力が入らない(麻痺)
生活習慣病をお持ちの方は、しびれを放置せず早めにご相談ください。
